日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
インドシアニングリーン静注併用赤外光胸腔鏡が同定に有用であった小型末梢肺癌の1例
笠井 由隆山本 恭通張 性洙後藤 正司森 奈都美三崎 伯幸横見瀬 裕保
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2008 年 22 巻 6 号 p. 948-952

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抄録

症例は70歳女性.甲状腺癌の術後経過観察中に胸部CTで右S8に増大傾向を示す約1cmのすりガラス陰影(ground-glass opacity:GGO)を認め,原発性肺癌を疑った.インドシアニングリーン(ICG)静注を併用した赤外光胸腔鏡(IRTS)で観察したところ,病変部分は正常肺に比べ青く描出された.部分切除を行い,術中迅速病理組織診で腺癌(野口分類C型)と診断されたため,右下葉切除術を施行した.我々はこれまでにICG静注併用のIRTSが気腫肺の検出に有用であることを動物実験並びに臨床研究で明らかにしてきたが,今回の症例で,末梢小型肺癌もICG静注併用IRTSを用いて同定できる可能性が示唆された.

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