日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
超高齢者の異時性多発肺癌に対し胸腔鏡下に手術した一例
武市 悠河野 匡文 敏景吉屋 智晴一瀬 淳二
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2009 年 23 巻 1 号 p. 35-38

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抄録

症例は87歳,男性.85歳時に左下葉肺癌に対し,胸腔鏡下左下葉切除術とリンパ節郭清(ND1)を施行した.病理は大細胞癌であった(p-T2N0M0,stage I B).経過観察中に右上葉に結節影が出現し,胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した.病理は高分化型腺癌であった.術後合併症認めず,術後9日目に退院となった.現在2回目の手術から3年1ヵ月経過し,元気に存命中である.高齢者肺癌であっても,肺葉切除で良好な予後が得られており,また異時性多発肺癌では完全切除ができれば,手術が推奨されている.そんな中,超高齢者異時性多発肺癌患者においては,症例毎の慎重な検討の元,低侵襲である胸腔鏡下手術,縮小手術は治療の選択肢の1つとなり得る.

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