日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
右残存肺全摘除を施行した直腸癌異時性両側多発肺転移の1例
江間 俊哉澤藤 誠
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2009 年 23 巻 4 号 p. 662-665

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抄録

直腸癌肺転移に対し左肺部分切除と右肺中葉切除後,再発した右肺転移巣に対して化学療法施行後に右残存肺全摘除を施行した1例を経験したので報告する.症例は55歳女性.1999年,直腸癌に対し前方切除術施行.2002年,術後両側肺転移に対し,左肺S10部分切除,右肺中葉切除,右肺S6部分切除を2期的に施行.2006年残存右肺門に再発を認めたため,FOLFOX療法を計8コース施行した.上昇していたCEAは正常値に戻ったが,右肺門の腫瘍は残存した.PET検査を含む画像検査にて肺外病変を認めなかったため,右残存肺全摘除を施行した.現在,術後1年3ヵ月であるが原発巣の再発や新たな転移を認めず,外来経過観察中である.

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