日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
転移性肺腫瘍の合併が疑われたChronic Expanding Hematomaの1例
正畠 和典高濱 誠山本 良二中嶋 隆泉 信博多田 弘人
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 23 巻 5 号 p. 718-721

詳細
抄録

症例は71歳,男性.27歳時,右気胸に対して胸腔ドレナージを施行.S状結腸癌術後の経過観察中,2007年12月の血液検査にて血清CEA高値を認めた.胸部CT検査では以前より指摘されていた右胸腔内を占拠する腫瘤近傍の右肺下葉に新たな結節影を認めた.画像所見と臨床経過より,Chronic Expanding Hematomaに転移性肺腫瘍の合併が疑われたため,血腫摘出術と右下葉部分切除術を施行した.病理組織検査の結果,切除標本に悪性所見は認めず,壊死組織のみであった.内容物の培養を行ったが一般細菌,結核菌とも陰性であった.術後経過は良好であり,術後14日目に退院となった.

著者関連情報
© 2009 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top