2009 年 23 巻 5 号 p. 722-725
65歳男性の胸腔内よりシュードアレシェリア・ボイジイを認めた症例を報告する.慢性関節リウマチのため4年間のステロイド内服治療中,胸部CTで左肺尖部の空洞性病変に菌球形成を認めた.肺アスペルギルス症と診断し,左上大区およびS6区域切除術を施行した.術後遺残腔に菌球形成を認め,第3および第4肋骨を部分切除する開窓術を施行した.菌球の培養検査でシュードアレシェリア・ボイジイが検出された.腔の浄化の上,筋肉充填術を施行した.術後経過は良好で,再発の兆候はない.