日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
縦隔リンパ節に転移を認めた径8mmの定型的肺カルチノイドの1例
杉浦 八十生竹内 健柿崎 徹加勢田 靜井野元 智恵
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2010 年 24 巻 1 号 p. 024-027

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抄録
症例は58歳女性.当院の胸部CT検診で右上葉に8mmの腫瘤影を認めた.PET-CTでSUVmax 1.35の軽度集積を認め高分化型腺癌が考えられた.クオンティフェロン,b-Dグルカンは陰性であった.cT1N0M0,Stage I Aと考え,2008年1月胸腔鏡下右上葉切除,リンパ節郭清を施行した.永久標本による診断では,8×8×6mm大の定型的カルチノイドであり,上縦隔リンパ節に転移を認めた(pT1N2M0,Stage III A).肺カルチノイドは,神経内分泌腫瘍であり,定型的カルチノイドと非定型カルチノイドに分類されるが,今回報告した症例は,定型的カルチノイドであった.定型的カルチノイドは一般的に低悪性度の腫瘍と考えられるが,本症例の様に小型でありながら縦隔リンパ節転移をきたした定型的カルチノイドは稀である.
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