日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
肋骨原発孤立性形質細胞腫の1切除例
中野 隆之濱中 瑠利香大岩 加奈中里 顕英増田 良太岩﨑 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 26 巻 1 号 p. 085-089

詳細
抄録

症例は57歳男性.健診で胸部異常陰影を指摘された.胸部CTにて右第5肋骨後方に骨皮質を外側へ圧排する55×18 mmの腫瘤を認め,骨シンチでは99mTc-HMDPの異常集積を認めなかったが,PET-CTではSUV max 58.0の18F-FDG集積がみられた.他部位には異常集積は認めなかった.肋骨悪性腫瘍の可能性を否定できず,右第5肋骨切除術を施行した.病理組織学的に形質細胞腫との診断であった.多発性骨髄腫を否定するために術後腸骨より骨髄穿刺を施行するも異常所見は認めず,最終的に肋骨原発の孤立性形質細胞腫と診断された.追加治療は施行せず,術後32ヵ月経過した現在,無再発生存中である.肋骨に原発した孤立性形質細胞腫は稀な疾患であり,報告する.

著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top