日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
確定診断に超音波気管支鏡ガイド下経気管支針吸引(EBUS-TBNA)が有用であった悪性腫瘍随伴網膜症の2例
宮田 亮陳 豊史庄司 剛宮原 亮伊達 洋至
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2012 年 26 巻 5 号 p. 542-546

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抄録

悪性腫瘍随伴網膜症(CAR)は,主に肺の小細胞癌に随伴し,網膜に異変を来たして視覚異常を来たす疾患である.6ヵ月以上にわたる視野異常,視力低下を主訴に当院を受診し,当科で縦隔の病変に対し超音波気管支鏡ガイド下経気管支針吸引(EBUS-TBNA)を行い,肺の小細胞癌と診断し得た2例を経験した.2例とも,EBUS-TBNAにて速やかに確定診断が得られた.EBUS-TBNAは,縦隔鏡検査などと比べ,低侵襲かつ,嗄声や乳び胸といった合併症の少ない検査である.縦隔鏡を用いることが困難な縦隔リンパ節腫大を認める症例や,腫瘍が気管壁に達しているような症例においては,EBUSを用いることで,より低侵襲に確定診断を得ることができるため,今後更に広まっていくものと考えられる.

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