日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肋骨原発軟骨肉腫の1切除例―適切な切除縁の設定に関する検討―
門司 祥子岩田 輝男宗 知子浦本 秀隆花桐 武志田中 文啓
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2013 年 27 巻 7 号 p. 817-821

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抄録
症例は66歳男性.腰部脊柱管狭窄症の精査中,胸部X線にて右下肺野に26 mm大の結節影を認め,CT検査にて右第6肋骨より胸腔内に発育する腫瘍を認めた.造影MRI検査にてT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,造影効果はわずかであったため,軟骨肉腫が疑われ,軟骨腫等が鑑別にあがった.術前生検は施行せず,3 cmの切除縁を確保しての広範切除術を施行した.術中迅速病理検査にてlow gradeの軟骨肉腫あるいは軟骨腫との診断であった.胸壁はMarlex meshにて再建した.最終病理検査にて,軟骨肉腫(Grade 1)の診断であった.軟骨肉腫は外科的切除以外に有効な治療法はないとされており,広範切除を行うことが肝要である.
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