日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肋骨原発骨内分化型骨肉腫の1切除例
小林 広典鈴木 実
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2014 年 28 巻 1 号 p. 115-120

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抄録

骨肉腫の一亜型である骨内分化型骨肉腫は,低悪性度で,長期経過をとることが知られている.今回,我々は肋骨原発の骨内分化型骨肉腫を経験したので報告する.症例は70歳女性で33歳時に左第6肋骨に線維性骨異形成を指摘され,左第6肋骨前方1/2の切除術を受けた.45歳時には開胸創皮下に鶏卵大の腫瘤が出現したため,再度腫瘍摘出術を受けた.さらに67歳時にCT検査で左第6肋骨切除断端から胸腔内に突出する辺縁平滑で内部不均一な結節性陰影を指摘された.結節性陰影が徐々に増大し3 cm大の腫瘤となり,線維性骨異形成病変の肋骨切除断端再々発が疑われ,腫瘤切除を目的に前医より当科に紹介された.この胸壁腫瘤に対し左第6肋骨及び上下肋間筋と第5肋骨の部分合併切除を行った.病理組織検査で腫瘍は骨内分化型骨肉腫と診断された.切除断端は腫瘍陰性で,予後が良好と期待できることから,術後補助療法を行わず,経過観察中である.

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