2014 年 28 巻 1 号 p. 91-95
症例は54歳,女性.背部の腫瘤を主訴に近医を受診した.右背部肩甲骨下に,硬く可動性のない3 cm大の腫瘤を認めた.CT上は境界不明瞭,MRIではT1強調画像で等信号・T2強調画像で高信号の中に索状の低信号域を認めた.穿刺吸引細胞診では診断がつかず,腫瘍局在から弾性線維腫を疑い,腫瘍摘出術を行った.術後病理組織検査では弾性線維はほとんどみとめない膠原線維主体の組織で,線維形成性線維芽細胞腫と診断された.これは,線維芽細胞・筋線維芽細胞の増殖を主体とする線維性腫瘍に分類されており,比較的珍しい組織型であるため,若干の文献的考察を加えて報告する.