日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡下に摘出した胸腔内結石の3例
内藤 雅仁三窪 将史中島 裕康松井 啓夫塩見 和佐藤 之俊
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キーワード: 胸腔内結石, 胸腔鏡, 胸腔
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2014 年 28 巻 6 号 p. 809-815

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抄録

胸腔内結石は,本邦での報告が29例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の3例を経験し臨床病理学検討を加えたので報告する.症例1は57歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CTで左S4に20 mm,横隔膜上に10 mmの結節影を認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例2は34歳女性.自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前CTでは結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を認め摘出した.症例3は49歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に10 mmの結節を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.

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