抄録
18番トリソミーを伴う肺原発MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫の1例を報告する.症例は80歳,男性.2012年の検診で胸部異常陰影を指摘され当院を紹介受診した.胸部CTでは右肺下葉に4 cm大の腫瘤影を認めた.気管支鏡検査,TBBでは確定診断にいたらず.外来経過観察中に腫瘍の増大傾向を認め,胸腔鏡下肺部分切除術を施行し,肺MALTリンパ腫と診断した.FISH法では,API2/MALT1融合シグナルは認めず,MALT1シグナルを3個認め18番トリソミーと診断した.術後18ヵ月の時点で,再発なく経過良好である.