日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
気管支内に鋳型状に進展し肺全摘を施行した気管支原発炎症性筋線維芽細胞腫瘍の一例
木村 賢司奥村 典仁中島 尊高橋 鮎子松岡 智章亀山 耕太郎
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2017 年 31 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

症例は75歳,男性.咳嗽・喀痰・労作時呼吸困難が出現し近医を受診.肺炎の診断で抗生剤加療開始も症状の改善なく,1週間後の胸部Xpで左下肺野の透過性低下進行のため,当院呼吸器内科を紹介受診となった.気管支鏡で左主気管支を閉塞する腫瘍を認め,生検で扁平上皮癌と診断した.肺癌(cT3N0M0 stage IIB)の評価で左上下葉は完全無気肺であり,左肺全摘術を施行した.術後経過は良好であり,術後2日目に胸腔ドレーンを抜去し,術後7日目に退院となった.術後病理診断では炎症性筋線維芽細胞腫瘍の診断であった.術後1年経過した現在無再発生存中である.気管支内に鋳型状に進展した気管支原発炎症性筋線維芽細胞腫瘍は非常に稀であり文献的考察を加えて報告する.

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