日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
原発不明縦隔リンパ節小細胞癌の1治験例
岩田 輝男門司 祥子小野 憲司花桐 武志田中 文啓
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2018 年 32 巻 4 号 p. 500-503

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抄録

症例は66歳の男性.縦隔リンパ節腫大を認め当院を受診された.EBUS-TBNAにてcarcinomaの診断が得られたが,全身精査にて原発巣を認めず,原発不明右下部傍気管リンパ節癌の診断で手術を施行した.胸腔鏡下右上縦隔リンパ節郭清術を行い,術中迅速病理検査で低分化癌の診断を得た.最終病理結果は小細胞癌であり,術後に同時化学放射線治療を行った.術後2年経過し原発癌の顕性化もなく無再発生存中である.原発不明縦隔小細胞癌の報告は極めて稀であるが,外科的切除を含めた積極的な集学的治療が望ましいと考えられた.

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