日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
頚部アプローチで被膜間摘出し得た頚胸境界部迷走神経由来の神経鞘腫の1例
矢口 綾子稲田 一雄山下 眞一岩﨑 昭憲
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2018 年 32 巻 4 号 p. 504-511

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抄録

49歳男性.胸部異常陰影を指摘され,胸部造影CTで頚部から中縦隔にかけて3.5×3.5×9.5 cmの境界明瞭な囊胞様涙滴状腫瘤影を認め,内部に一部造影効果のある充実成分がみられた.MRIではT2強調で高信号,内部に低信号と高信号の混在する構造物を認めた.診断および治療目的に手術を施行した.術中所見より右迷走神経由来の神経鞘腫と判断したため,頚部アプローチのみで頚胸境界部を超え縦隔操作を行い被膜間摘出を行った.病理学的診断は迷走神経鞘腫瘍であった.術直後一過性の軽度嗄声は出現したが,術後1ヵ月目の外来では改善しており,反回神経麻痺・Horner症候群等の合併症や再発なく経過している.頚部上中縦隔に発生した迷走神経鞘種に対して頚部アプローチでの被膜間摘出術は合併症やQOL低下を回避しうるアプローチ法の1つと考えられる.

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