日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
アスペルギルス感染と肺原発MALTリンパ腫が併存し空洞病変を呈した一例
吉田 大介深見 武史井上 雄太柴崎 隆正
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2020 年 34 巻 1 号 p. 81-85

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抄録

66歳女性.血痰を主訴に胸部CTで左上葉空洞性病変を指摘された.気管支鏡検査にてアスペルギルス菌が検出されたため,抗真菌薬が開始され,1年間の治療にも関わらず空洞陰影の改善がなかった.再検された気管支鏡検査にて肺原発MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫が疑われ,生検目的で手術を施行し,MALTリンパ腫の診断に至った.肺原発MALTリンパ腫は多彩な画像所見を呈すが,空洞形成の報告は稀である.また,肺アスペルギルス症と診断され,抗真菌薬治療が効果不十分な場合は,悪性腫瘍の合併も考慮する必要がある.

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