日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
原著
二次救急病院における肋骨骨折の検討
福井 哲矢南 紀久子若月 悠佑松倉 規
著者情報
キーワード: 肋骨骨折
ジャーナル フリー

2020 年 34 巻 6 号 p. 572-577

詳細
抄録

二次救急病院である当院で2015年から2019年に入院加療を要した肋骨骨折90例を後方視的に分析した.年齢は72.5(16-96)歳,受傷肋骨本数は4(1-10)本,在院日数は9(2-60)日,転帰は退院68例(75.6%),転院22例(24.4%)であった.合併損傷を75例(83.3%)に認めた.血気胸で35例(38.9%)に胸腔ドレナージを施行し,留置期間は3(1-13)日,受傷からドレナージ開始までの期間は2(0-17)日であった.大量血胸2例に緊急手術,フレイルチェスト2例および骨片突出3例に準緊急から待機的に手術を施行した.経過中に4名(4.4%)が肺炎を発症し,2例で気管挿管を要した.肋骨骨折はよく遭遇する外傷だが,合併損傷の診断および他科との連携,手術や胸腔ドレナージの適応判断,肺炎発症に留意した疼痛管理および呼吸ケア,退院支援など総合的なマネージメントを要する.

著者関連情報
© 2020 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top