日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腺原発大細胞神経内分泌癌の一切除例
梅田 将志三竿 貴彦妹尾 知哉鹿谷 芳伸青江 基
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2022 年 36 巻 7 号 p. 766-772

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抄録

胸腺発生の神経内分泌癌は,胸腺癌の一亜型として分類され,前縦隔腫瘍の2~4%を占める.その中でも低分化で稀な大細胞神経内分泌癌は他の胸腺腫瘍と比較して予後不良と報告されている.今回我々は,胸腺原発大細胞神経内分泌癌に対して外科的切除を施行した一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

症例は72歳,男性.検診の胸部X線写真で異常陰影を指摘され近医を受診した.胸部造影CT検査で右前縦隔に不均一に造影される長径46 mm大の不整形腫瘤を認め,画像的に心膜浸潤が疑われた.精査加療目的に当科紹介となり,PET-CT検査で同部位にFDG高集積を認めた.正岡病期分類III期の胸腺癌疑いと診断し,胸骨正中切開で胸腺全摘術を施行した.病理組織検査では,大細胞神経内分泌癌,正岡病期分類II期と診断された.術後は補助化学療法としてCDDP+VP-16を4コース施行し,現在まで18ヵ月間無再発生存中である.

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