2022 年 36 巻 7 号 p. 809-814
症例は41歳,男性.左胸部痛を主訴に近医を受診し,MRIで左第4肋骨にT1低信号,T2高信号を示す結節像を指摘され当科へ紹介となった.CTで同部位に内部低吸収と骨破壊像を認め,PET-CTでは異常集積を認めたため肋骨原発の悪性腫瘍を疑い,診断と治療目的に肋骨切除と胸壁再建術を施行した.病理診断ではLangerhans細胞組織球症の最終診断であった.肋骨のみに発症したLangerhans細胞組織球症は稀であり,病変の再発をきたした報告もあるため慎重な経過観察が必要と考える.