日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
7年間の経過観察中に緩徐増大を認めた臓側胸膜発生脱分化型孤立性線維性腫瘍の1例
後藤 まどか高田 莉央市川 靖久坪内 秀樹川角 佑太森 正一
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2022 年 36 巻 7 号 p. 821-826

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抄録

症例は75歳男性.X-7年,健診胸部異常影にて前医を受診し,胸部CTで左胸腔にextrapleural sign陽性の最大径2.0 cmの結節を認めた.X年の再診時には2.9 cmに増大を認め,FDG PET-CTでは結節に一致しFDG集積を認めた.孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:SFT)などを疑い,胸腔鏡下に手術を施行した.結節は左肺下葉より有茎性に隆起し,周囲組織との癒着を認めず左肺下葉部分切除により病変を摘出した.病理組織学的に異型度の低い領域に加え,高度の核分裂像を呈する異型の強い領域を認める臓側胸膜発生の脱分化型SFTと診断した.脱分化型SFTは従来のSFTに比べ高率に再発・転移を認め予後不良で慎重な経過観察が必要である.非常に稀な脱分化型SFTの1切除例を経験したため報告する.

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