日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
単孔式胸腔鏡手術で切除した後縦隔ミュラー管囊胞の一例
桑原 博昭植田 隆太木内 静香鈴木 昭
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2023 年 37 巻 5 号 p. 466-471

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抄録

後縦隔に発生するミュラー管囊胞は良性の疾患で非侵襲的手術のよい適応と考えられる.我々は単孔式胸腔鏡手術で摘出した後縦隔ミュラー管囊胞を経験した.症例は36歳の女性.Body Mass Indexは39.2であった.背部痛があり近医を受診した.精査では背部痛の原因となる明らかな病変は認めなかったが,左後縦隔に囊胞性病変を認め当科紹介となった.囊胞性病変は第7胸椎と下行大動脈に接して存在した.当院での経験から神経原性腫瘍や胸腔内髄膜瘤などを疑い,単孔式胸腔鏡手術で切除を行った.病変は薄い被膜に覆われた囊胞性病変で神経や椎間孔の関与は認めなかった.免疫学的病理結果からミュラー管囊胞との診断となった.

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