目的:低侵襲手術や非喫煙者手術例が増加し,超音波ネブライザーの恩恵が現代でも得られるかは不明である.
方法:当院の肺切除連続症例488例を対象とした.呼吸器合併症の危険因子を,ロジスティック回帰分析で明らかとした.これらの因子について傾向スコアマッチングを実施して,超音波ネブライザーの有効性を検証した.
結果:呼吸器合併症は58例(11.9%)に発生していた.回帰分析の結果,年齢,喫煙歴,手術アプローチが喀痰関連合併症の危険因子であった.これらの因子についてマッチングしたモデルを作成して比較すると,呼吸器合併症発生頻度はネブライザー使用群2.8%,非使用群9.2%で,ネブライザー使用がハイリスク症例の合併症抑制に一定の効果があることが示唆された.
結論:超音波ネブライザーは,開胸手術例,慢性閉塞性肺疾患症例,高齢などのハイリスク症例に絞って実施すると有効である.