日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
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肺癌のAdjuvant surgeryによる術後合併症の検討
宮元 秀昭成毛 韶夫近藤 大造近藤 晴彦佐伯 英行佐野 哲郎高橋 豊中井 秀典渡辺 英世呉屋 朝幸土屋 了介末舛 恵一
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1988 年 2 巻 3 号 p. 148-153

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抄録
国立がんセンターにおいて1984年1月~1987年12月の4年間に術前所定のプロトコールの全身化学療法を2クール以上行ないAdjuvant surgeryが行なわれた原発性肺癌30症例を対象に, その術後合併症についてRetrospectiveた検討し, さらにNeoadjuvantの問題点を考えてみた.術後合併症は22例 (73.3%) に起こり, その内重篤なものは5例 (16.7%) に認めた.術死, 在院死は各々1例であった.小細胞癌症例では術前放射線治療の影響と, ADMの投与量が問題となった.非小細胞癌症例では手術適応と, CDDPの腎毒性が問題となった.また予想をはるかに越える晩期の合併症があり, ほとんどの症例で術後長期にわたってWater retensionが起こる傾向にあった.この治療法は理論的に優れたものであり, 今後積極的に行なわれていくものと思われるが, それは患者の社会復帰をも目指したものでなくてはならないと考える.
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