抄録
症例は74歳の女性.近医にて胸部異常影を指摘され, 当院紹介となるI胸部レントゲン写真で右肺門部に3.0×2.5cmの腫瘤陰影を認めた.MRI検査にて, T1強調画像では筋肉よりやや高信号で内容はやや不均一, T2強調画像では著明な高信号を呈する分葉状の後縦隔腫瘍を認めた.開胸術を施行し, 組織学的に海綿状血管腫と診断された.縦隔海綿状血管腫は, 比較的希な疾患であり術前診断は困難な場合が多い.今回の症例では, 術前のMRI検査で特徴的な画像が得られたので若干の文献的考察を加えて報告する.