1999 年 13 巻 2 号 p. 136-139
症例は24歳, 男性.1996年5月から咳嗽ならびに呼吸困難が持続するため近医受診, 胸部異常陰影指摘され精査目的で入院となる.胸部CTでは前縦隔から右胸腔内に大きく突出する腫瘤陰影と右胸水を認め, 針生検より縦隔横紋筋肉腫と診断した.手術により腫瘍の完全切除を行い得たが, 早期に広範な局所再発を来たし術後6ヵ月で死亡した.
縦隔原発横紋筋肉腫は極めて稀な悪性度の高い腫瘍であり, 治療にあたっては従来の外科切除だけでなく化学療法も含めた集学的治療が重要であると考える.