日本呼吸器外科学会雑誌
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自然気胸手術後に右主気管支狭窄により人工呼吸管理を要したMarfan症候群の1例
渡辺 俊一佐藤 日出夫
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キーワード: Marfan症候群, 自然気胸
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1999 年 13 巻 2 号 p. 148-151

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抄録

患者は15歳, 女性.以前よりMarfan症候群にて近医で経過観察されていたが, 突然胸痛を自覚し右自然気胸と診断された.当科にて右肺尖部の嚢胞を切除したが, 術後自発呼吸が十分にできない状態が続き, 人工呼吸管理を要した.気管支鏡所見では右主気管支が膜様部側から圧排される形での狭窄を認めた.胸部CT所見から, 側湾症により縦隔が椎体の左方に位置し, 右主気管支が椎体を乗り越えるように走行しているために右主気管支が背側から圧排されて狭窄したものと判明した.手術から約12時間後にようやく自発呼吸および痰の喀出が十分可能となったため気管内挿管チューブを抜去した.Marfan症候群患者には自然気胸の合併が多いとされているが, 側弯症を有する場合の周術期には気道閉塞に十分注意する必要があるとともに, 術前のCT等による気道状態の評価や術中気管支鏡の準備等も重要であると思われた.

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