日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
遊離腹直筋鞘を用いた気管支パッチ形成術と大網充填術で治癒し得た肺切除後有瘻性膿胸の1例
青木 正渡辺 健寛土田 正則大和 靖林 純一相馬 孝博
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 13 巻 2 号 p. 152-155

詳細
抄録

右下葉肺切除後膿胸に合併した気管支瘻に対して遊離腹直筋鞘による気管支パッチ形成術と大網充填術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は73歳男性.右下葉肺癌の診断で右下葉切除と縦隔リンパ節郭清術を施行した.第29病日に膿胸を確認し胸腔ドレーンを挿入し洗浄を行い, 続いて開窓術を行った.開窓術後のデブリードマン中に残存中葉支膜様部に瘻孔が出現した.中葉支を温存するために瘻孔に遊離腹直筋前鞘をパッチ状に縫着し, さらに膿胸腔には大網充填術を行った.術後3年経過し膿胸の再発は見られず, 気管支形成部の治癒状態も良好で狭窄も認められなかった.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top