日本呼吸器外科学会雑誌
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術後CyclosporinAが有効であった胸腺腫合併赤芽球癆の1例
櫻庭 幹大貫 恭正前 昌宏新田 澄郎
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1999 年 13 巻 2 号 p. 165-168

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抄録

赤芽球癆は著明な貧血を呈する自己免疫性疾患であり, 約半数に胸腺腫を合併すると報告されている.治療を目的として胸腺切除が行われているが, 有効率は低く予後不良といわれている.今回われわれは, 胸腺腫を合併した赤芽球癆に対して胸腺全摘術を施行し, 術後CyclosporinAの投与により寛解した症例を経験したので報告する.43歳, 女性で眩量を主訴に受診.高度な貧血と網状赤血球の減少, 骨髄穿刺にて赤芽球系細胞の減少を認めた.胸部CTで前縦隔に腫瘍を認め, 胸腺腫を伴う赤芽球癆と診断し, 胸腺全摘術を施行した.しかし, 術後2ヵ月経過後も網状赤血球の上昇が認められず輸血を余儀なくされることから, CyclosporinAの内服を開始し, 現在, 貧血は改善され寛解を得ている.

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