1999 年 13 巻 2 号 p. 169-174
19歳男性の左第7, 10肋骨に発症したpolyostotic fibrous dysplasia の1切除例を経験した.中学生からアメリカンフットボールを行い, 接触時に左胸痛が出現していたが, 胸部X線写真上は異常を指摘されなかった.1996年, 大学入学時の胸部X線写真で異常陰影を指摘され, 疼痛が増強したため4月に近医を受診した.生検でfibrous dysplasia と診断され当科に紹介入院となった.胸部及び肋骨X線単純写真では左第7, 10肋骨に腫瘤陰影が認められ, 骨シンチグラムでも異常集積像が認められた.1996年8月6日に罹患肋骨である第7, 10肋骨腫瘤から2cm以上離れた正常肋骨部で切断し摘出した.第7肋骨は15cm, 第10肋骨は2cmにわたる病巣であった.
術後経過は順調で, アメリカンフットボールを続けているが, 2年経過した現在, 再発等認めていない.