1999 年 13 巻 2 号 p. 191-194
dumbbell 腫瘍の診断にthin slice CTが有用であった症例を経験した.症例は56歳男性で, 他疾患治療中にスクリーニングで行われた 10mmgap 7mm sliceの胸部CTで縦隔腫瘍が発見された.その時のCTで椎間孔との関係は明瞭でなかったが, 当院にて5mm gap 3mm sliceのthin slice CTを施行したところ, 腫瘍の椎間孔への進展が確認されdumbbell腫瘍の診断を得た.開胸と半椎弓切除により腫瘍を摘出した.術後合併症なく, 経過良好にて現在外来にて経過観察中である.たとえ無症状であっても, 傍脊椎領域に存在する縦隔腫瘍は, 椎間孔との関係を明瞭に把握するために通常施行するCTの他にthin slice CTを施行すべきである.