日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腔鏡下肺切除術を施行した長期介在気管支異物の一例
平岡 圭大淵 俊朗森川 利昭加地 苗人加藤 紘之
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2000 年 14 巻 7 号 p. 808-811

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抄録

胸腔鏡下手術にて切除し得た長期介在気管支異物の一例を経験した.症例は54歳男性で, 咳嗽を主訴に来院した.胸部X線写真, 胸部CT検査にて, 右B10末梢の金属製と思われる異物影と右下葉の浸潤影を伴う気管支拡張像を認めた.問診により14歳頃, 鉛製の空気銃の弾を誤嚥した既往が判明したため, 右肺野末梢に存在する40年来の長期介在気管支異物と診断した.気管支鏡による異物への到達が困難であること, 周囲に二次性変化を認めることから胸腔鏡下肺部分切除術を施行し, 異物と二次性変化部位を切除した.気管支鏡による到達が困難な気管支異物に対し, 胸腔鏡手術は有用であると考えられた.

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