日本呼吸器外科学会雑誌
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血気胸を契機に発見された原発性肺癌の一例
高野 真吾川村 健金古 裕之奥芝 知郎直江 和彦加藤 紘之
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2004 年 18 巻 2 号 p. 109-113

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抄録

症例は46歳男性, 胸痛を自覚し受診.胸部X-pにて右血気胸と診断, 胸腔ドレーンを挿入したところ, 1200mlの暗血性胸水の流出を認めた.胸部X-p, 胸部CTにて右上葉に結節影を認めた.血気胸に対し胸腔鏡下手術を行った.壁側胸膜に古い出血点を確認.肺尖部のブラの直下に径1.5cmの結節性の腫瘍を認め, 腫瘍も含む右肺尖部分切除術を施行した.術後病理組織検査にて大細胞癌の診断となり, 初回手術2週後に開胸にて右上葉切除術を施行した.術後Vindesine (VDS), Cisplatin (CDDP) による化学療法を2クール施行.術後1年10ヵ月経過した現在再発徴候なく健在である.血気胸を契機に原発性肺癌が発見される例はまれである.肺癌に合併する気胸に関して若干の文献的考察を加えて報告する.

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