日本呼吸器外科学会雑誌
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小結節影を呈した陳旧性出血性肺梗塞の1手術例
岡本 卓三崎 伯幸後藤 正司桝屋 大輝中島 尊劉 大革亀山 耕太郎石川 真也山本 恭通黄 政龍横見瀬 裕保
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2004 年 18 巻 7 号 p. 826-830

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抄録

症例は66歳女性.気管支喘息の経過中に胸部X線像上, 右下肺野に結節影を指摘され当院を紹介された.胸部CTで右中葉S4からS5にかけて周囲に淡い浸潤影および胸膜嵌入像を伴う境界明瞭な10×8mm大の結節影を認めた.1ヵ月の経過で陰影の縮小傾向はなく悪性腫瘍も否定できなかったため, 胸腔鏡下に肺生検を施行した.胸腔鏡では, 胸膜嵌入を伴う暗赤色の小結節として認めた.術中迅速病理検査では, 中等度のリンパ球浸潤と血管壁の肥厚を指摘され炎症後の瘢痕様の病変が疑われた.切除肺の病理組織検査では, 肺胞壁と血管壁の著明な肥厚, 血管の拡張, 肺胞内出血を認め陳旧性出血性肺梗塞と診断された.気管支喘息を除き基礎疾患の関与が否定的な女性に発症し, 小結節影を呈した陳旧性出血性肺梗塞の一切除例を報告した.

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