日本呼吸器外科学会雑誌
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先天性嚢胞性腺腫様奇形 (CCAM) の2手術例
森川 洋匡平井 隆高橋 鮎子山中 晃
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2004 年 18 巻 7 号 p. 845-849

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抄録

先天性嚢胞性腺腫様奇形 (以下CCAM) の2手術例を経験した.
症例1: 5歳の女児.主訴は発熱, 咳噺.胸部X線上右下肺野に鏡面像を伴った複数の嚢胞がみられた.胸部CTでは右下葉に一部鏡面像を伴った多房性嚢胞陰影を認めた.同部位の部分切除術と肺縫縮術を施行した.病理ではCCAM, Stocker分類1型と診断された.術後, 発熱・咳嗽が再び認められ, 遺残嚢胞の拡大による術後再発が確認された.右肺下葉切除を施行し, 以降再発はみられていない.症例2: 8歳の男児.2歳の時に肺炎の既往がある.主訴は発熱.胸部X線上右上肺野に縦隔に接するように腫瘤影を認めた.胸部CTでは右主気管支上縁から縦隔に揺するように肺尖に達する2房性の嚢胞を認めた.右肺上葉切除術を施行し, CCAM Stocker分類1型と診断された.術後再発はみられていない.

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