日本呼吸器外科学会雑誌
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乳幼児救急・集中治療における気管支ファイバースコープの応用
乾 健二村山 隆紀寺田 泰二松井 輝雄久米川 雅之玉井 直瀬尾 憲正新宮 興
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1992 年 6 巻 6 号 p. 661-667

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抄録

昭和63年1月~12月までの1年間に救急部・集中治療部に入室した乳幼児62例中10例 (16.1%) に気管支ファイバースコープを施行した.年齢は1ヵ月から8歳, 平均1歳11ヵ月で, 原疾患は先天性上気道異常が3例, 気管支異物2例, 肺炎1例, また術後の無気肺や気道出血の合併が4例であった.診断面では上気道異常の確認, 気管支異物の発見, 手術適応の決定や手術結果の確認, 無気肺の原因や気道出血部位の推定にきわめて有用であった.治療面では Bronchial Toilet 7例と経鼻挿管のガイド4例が多く, 特殊例として先天性気管狭窄例で気道確保のため PTCA用カテーテルを用いた狭窄部拡張術を行った.酸素投与, 気管内挿管, ECGモニター, パルスオキシメーターのもとで気管支ファイバースコープは安全に行われた.今後, 機器の発達とともに呼吸器外科領域での乳幼児に対する気管支ファイバースコープの機会が増加すると予測されるので我々の経験を報告した.

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