日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腺腫の手術成績
術後長期観察の重要性について
清水 信義丸山 修一郎佐野 由文牧原 重喜松谷 隆啓山下 素弘古城 資久伊達 洋至原 享子安藤 陽夫寺本 滋
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1992 年 6 巻 6 号 p. 668-675

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抄録

胸腺腫104例の外科治療成績を報告した.症例は男性49例, 女性55例で1期が40例, II期が13例, III期が28例, IV期が23例であり上皮細胞型が26例, リンパ球型が30例, 混合型が48例であった.上皮細胞型は進行例が多くあったが, 切除出来たものでは他の組織型と予後に差はなかった.1期の予後は良好であったが, III期IV期の進行例でも5年以上の生存例が38%であった.しかし術後5年を経ても再発するものがあり, 胸腺腫では術後10年以上の長期の観察が必要であった.IVB期の予後は不良であった.

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