日本呼吸器外科学会雑誌
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後縦隔から後腹膜にかけて発生した巨大リンパ管腫の1例
大崎 敏弘岡本 隆史濱田 正勝波戸岡 俊三花桐 武志岡林 寛光冨 徹哉白日 高歩
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1992 年 6 巻 6 号 p. 706-711

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抄録

後縦隔から後腹膜にかけて発生した巨大リンパ管腫の1例を経験した.症例は31歳女性で多発性筋炎の治療中に胸部異常陰影を指摘された.次第に腫瘤陰影の増大と前胸部圧迫感, 仰臥位時呼吸困難が出現し右開胸で手術を行なった.腫瘍は後縦隔から後腹膜および対側後縦隔に広範に進展し易出血性であった。食道は完全に取り囲まれていた.長期ステロイド使用症例であり, 腫瘍のひろがりから全摘は不可能と判断し部分切除を行なった.病理診断は海綿状リンパ管腫であった.術直後より症状はなくなり術後5ヵ月現在腫瘍の増大傾向はない.縦隔リンパ管腫は比較的まれな疾患で本邦では自験例を含めて66例の報告がある.

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