日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
両側同時自然気胸の1例
川村 光夫坂田 勇司
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 6 巻 6 号 p. 719-723

詳細
抄録

症例は, 19歳男性で胸痛, 呼吸困難を主訴として救急車にて来院した.著明な呼吸困難を呈し, 胸部X線写真にて, 両側虚脱III度の自然気胸と診断された.直ちに, 両側胸腔のドレナージ施行し, 呼吸困難は改善, そのまま入院となった.入院後も両側胸腔ドレーンからのair-leakが続き, 両側同時発症であることから, 両側腋窩開胸にて一期的にブラを切除した.左右の肺尖部に, それぞれ50×35mm, 45×35mm大のブラが認められ, これを切除した.術後は, 特に問題なく第12病日に退院した.
両側同時気胸において, 診断の遅れは, 致命的になることから, 迅速な診断も処置が必要であり, 両側一期的ブラ切除術の適応である.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top