犬を用いた Bilateral Single Lung Transplantation (BSLT) により, non-Bush surface cooling (SC) 法とlow potassium dextran glucose (LPDG) 液保存法を比較した.
Donor肺をSC群 (n=6), LPDG群 (n=5) に分け, 両群とも臨床肺移植に則し, 保存時間5~6時間でBSLTを行った.移植肺機能評価に最も重要な移植後12時間は, recipientを人工呼吸器管理下においた.両群とも人工心肺を使用することなくBSLTが可能で, 全例移植後12時間生存し, 良好な肺機能を示した.移植12時間後のPaO2 (FiO2=1.0), PaCO2, m-PAPは, それぞれ, SC群 : 482±67, 37.6±4.6, 20。1±3.4Torr, LPDG群 : 590±18, 44.3±4.0, 27.3±3.0 Torrと良好で2群間に有意差を認めなかった.以上より, 保存時間5~6時間であれば, SC法, LPDG液保存法ともに, 有用な保存法であり, これを使用することでBSLTが可能であると考えられた.