1995 年 9 巻 1 号 p. 35-39
異所性胸腺嚢腫内に存在した胸腺腫の手術症例を経験した.症例は33歳の男性ー職場の検診で, 胸部X線上の異常陰影を指摘された.縦隔腫瘍と診断し手術を行い, 異所性胸腺嚢腫とリンパ球優位の胸腺腫の合併と診断された.また, 嚢胞内容液の腫瘍マーカーは, CA19-9 300U/ml以上, CEA 9.6ng/ml, CA 125 11000U/ml, NSE 31.1ng/ml, AMYLASE 186IU/lと高値を示した.胸腺嚢腫と胸腺腫の合併は希であり.文献的考察を加え報告する.