日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腺腫が併存した胸腺嚢腫の1例
栗原 英明秋葉 直志塩谷 尚志三浦 金次桜井 健司
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1995 年 9 巻 1 号 p. 48-52

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抄録

稀にみる胸腺腫を併存する胸線嚢腫の1例を経験した.症例は, 24歳の男子学生で, 自覚症状はなく健康診断で胸部異常陰影を指摘された.胸部X線写真および胸部CTで胸腺嚢腫を疑った.1991年3月18日胸骨正中切開で, 嚢腫摘出術を施行した.組織学的検査で, 浸潤性胸腺腫を併存した胸腺嚢腫と診断した.画像診断の進歩により胸腺嚢腫の術前診断は比較的容易となったが, 本症例のごとく悪性腫瘍併存例が存在するため, 確定診断と治療のために胸腺嚢腫, 特に実質性病変を併う症例においては, 外科的摘出術の適応があると考える.

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