日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腺腫を合併し, さらに嚢胞内容液の CA19-9 およびアミラーゼが高値を示した胸腺嚢腫の1例
宇高 徹総青江 基岡部 和倫赤坂 尚三三竿 貴彦高木 章司岡谷 泰治永廣 格山中 正康森山 重治安藤 陽夫清水 信義原 享子
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1995 年 9 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

胸腺腫を内部に合併し, さらに内容液のCA19-9およびアミラービが高値であった胸腺嚢腫の1例を経験したので報告する.
症例は23歳の女性で, 検診で胸部X線写真異常陰影を指滴され, 胸部CT, MRIで前縦隔に, 内部に充実性腫瘤を有する嚢胞を認めた。嚢胞内容液を起音波ガイド下に穿刺吸引し, そのCA19-9およびアミラーゼを測定した結果, 高値を示した.縦隔奇形腫の疑いで, 胸骨正中切開にて腫瘍を胸腺とともに摘出した.摘出した腫瘍は, 多房性の嚢胞が大部分を占め, 内部に充実性病変を認めた.病理組織学的に, リンパ球優位型胸腺腫を内部に合併した胸腺嚢腫と診断された.胸腺腫を合併した胸腺嚢腫は稀で, 本例は本邦6例目の報告例である.

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