日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
嚢胞液中Amylase isozyme patternと早期穿孔過程が示された縦隔奇形腫の1例
小山 信二杉山 茂樹美濃 一博池谷 朋彦橋本 勇一三崎 拓郎北川 正信
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 9 巻 7 号 p. 879-884

詳細
抄録

縦隔奇形腫の肺への穿孔・穿破の早期過程と嚢胞液アミラーゼアイソザイムパターンを示すことができた1例を報告した.症例は47歳女性で左胸部痛が出現し, 前縦隔腫瘍が発見された.嚢胞内容液の蛋白は0.3g/dlと低濃度であったが, アミラーゼは429IU/lと高値で, 少なくとも, その65%は膵型アイソザイムで3種類含んでいた.肺合併切除により腫瘍は完全摘出された.腫瘍は多房性嚢胞が形成され, 成熟型奇形腫の所見を呈し, 一部に膵組織が認められた.また, 穿孔過程に関して, 消化によると考えられる組織融解像が観察され, 肺へも消化液が及んだ形跡が認められ, 肺実質に組織球の集族やリンバ濾胞の形成が認められた.肺への穿孔・穿破した縦隔奇形腫が発症から2ヵ月未満で肺合併切除により完全摘出され, その早期過程が示された.本例は縦隔奇形腫の早期摘出が肝要であることを示す1例である.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top