抄録
本稿では、中学校におけるメタ言語能力の育成を目指した複言語アプローチの外国語教育実践を検討する。中学校1年生(36名)を対象に8つの言語を扱う「日本語・英語・複数の外国語を通してことばに気づく」という世界の言語を学ぶ授業実践が行われた。授業実践は、前時での導入、本時で9名のゲスト講師による小グループごとの言語活動のオンライン実施、次時に、異なる言語グループのメンバーに自分が学んできたことを紹介するためのレポート作り、最後に、クロスセッションでの発表会と省察、合計4回を行った。本稿では、一連の授業実践の概要を示した後、生徒および授業者の振り返りの記録を分析し、複言語教育によって達成されたことを記述し、さらに、複言語実践に関わった教育実践者らの動きを元に、実践コミュニティの重要性を論じ、日本の学校での複言語教育への示唆を行う。