抄録
本稿は、名古屋外国語大学が提供する「複言語プログラム」の構築とその拡充の経緯を概説するとともに、複言語教育の質保証と学習効果の可視化を図る試みのひとつとして実施した共通語彙テストの結果について報告する。2017年に全学化した同プログラムには、英語を含めた12言語が設置され、外国語大学の独自性を保ちつつ、本学のダイバーシティの要として発展してきた。2021年度からは、英語以外の全言語に共通する語彙データベースを土台としたVocabulary Learning Systemの運用が始まった。翌年の2022年、全学的に実施された共通語彙テストの得点に関し統計分析を行ったところ、言語別、レベル別に語彙力の差が確認されるという結果が得られた。