本稿は異なるコミュニティに属する学生たちの協働による「韓国絵本プロジェクト」について越境という観点から考察したものである。本実践では、韓国語を専攻する大学生が2冊の韓国絵本を日本語母語話者の子どもに向けて翻訳し、それを日本語教育学を専攻する大学生が外国人日本語学習者にもわかりやすい「やさしい日本語」に書き換えた。さらに、この2つのクラスが協働し、日韓に在住する子どもたちに向けて絵本読み聞かせ会を開催した。本研究は、この実践を通し、学生たちが自分たちの社会的役割、複言語能力、協働の重要性についての認識を高めたことを明らかにした。