「教職協働」のこれまでの定義では,教職が「対等」であることが重視されている.そこで,「対等」の具体的な意味を探るため,会員アンケート調査結果をもとに検討したところ,教員,職員ともに,教職協働において「相互の敬意」を最重視することは同じであったが,職員は教員よりも「同じポスト」「会議などで闊達に意見を述べ合える雰囲気」「公平に意見を述べる権利」などの割合が高く,比較的ソフト面を重視する教員に対し,ハード面も重視する職員の傾向が明らかになった.一方で,「雇用に関する待遇の格差」については,両者とも重視する傾向にはないこともわかった.これらのことから,教職協働の実現には,金銭等の短期的なインセンティブではなく.職員が働きやすさややりがいを感じるための裁量権の確立等のハード面の対応と,ガバナンス上の対等を侵透させるためのソフト面での対応の両者が必要であることを提起したい.