2024 年 46 巻 1 号 p. 48-52
本稿は,課題研究「コロナ禍がもたらす大学教育の可能性~対象・方法・内容~」の,サブテーマ1「非対面大学教育における学修成果の評価」のプロジェクトの一環として行われた会員調査を基に,対面授業の制限を機に学生の学習成果を評価する方法や発想がどのように変化したかを検討するものである.この検討にあたっては,単位制度の原則を踏まえ,遠隔での授業実施と学修成果の評価の際に学生の学習量の担保と確認がいかに試みられたかに着目した.これらの点に着目したのは,感染症が沈静化したのちも政策の後押しなど他の要因によってオンライン授業が今後推進された際,単位の授与の前提となる学生の学習量をいかに担保するかの検討に資する知見を得ようとしたためである.会員調査の結果からは,感染症対策措置の期間中に一時的に向上した教員による学習の進捗の確認の頻度も,対面授業の再開と共にいったん低下していることが明らかになり,非対面型の授業を推進するのであれば学習量の担保には授業の提供と同様の環境整備が求められることが示唆された.