2016 年 29 巻 3 号 p. 57-73
要旨:本論文は,イタリア北東部沿岸域における工業用地立地の現状を調査分析したものである。イタリア北東部,エミリア・ロマーニャ州及びヴェネト州を対象として,工業用地を主体とした土地利用の配置パターンを分析し,我が国沿岸域との比較を交え,土地利用の「質」を評価した。論文の後半部分では,ヴェネツィア市,ラヴェンナ市,そして比較対象として千葉市をケーススタディとして,歴史的背景等を交え土地利用の「質」に関する考察を加えた。工業用地クラスター間をある程度乖離させ,かつ都市的地域との接続性が重要であると結論付けている。